町工場 強さの秘密 梅原勝彦(著)
【 目 次 】
第1章 驚異の記録~37年連続売上高経常利益率35%以上
第2章 町工場こそわが人生
第3章 短納期の秘密
第4章 これが利益を出す経営だ
第5章 成功するために必要なこと
第6章 日本のモノづくり再生計画
『驚異の記録~37年連続売上高経常利益率35%以上』とあるが、実はもっと凄い。37年間の利益率平均でいえば、41.5%、円高不況、バブル崩壊時でも35%以下にならなかったと。
本業は、工作機械の部品加工を手掛ける町工場。
インターネット・IT活用の合理的経営でなく、
高いリクルーティング能力もなく、
社員のモチベーションを引き出す最新のマネジメントもなく、
強力な営業もなく、
高収益を生む出す財務戦略もない
それでいてこの実績を生み出したのは?
利益の源泉は基本にあり……
三つの基本を愚直に実践
短納期・高品質・適正価格
これはどの企業でも解っている事でしょう。
「言うは易し、行うは難し」です。
●個別に見てみると、まず短納期
・短納期だけれど時間はかける
・大事なのは作業に取り掛かるまでの時間
・注文の約七割が当日に発送
・機械の稼働率には三割の余裕をもたせる
・短納期を実現できる最大の要因は社員のモチベーションの高さ
最大のポイントは、「大事なのは作業に取り掛かるまでの時間」
府中の本社で注文を受けてから、山梨の工場で作業にとりかかるまで、ものの5分とかからないのです。
具体的には下記の通り
注文は本社で電話かFAX。
注文伝票をFAXで工場に。
工場の事務員が伝票確認して、エアシューターにて現場へ。
現場担当者は、伝票を受取り資材置き場から材料選択し、
機械にセットして作業開始。
受注から生産までは非常にアナログ的です。
スピードに注視した方法だから可能だといえます。
工場での作業も、3歩歩くところを1歩にするにはなどの努力もあります。
「モノづくり」での手法ですのから、全ての業種に適応できるとは言えませんが、
結果からみれば、学ぶべき視点・手法ではないかと思います。
●次に高品質
これは、梅原氏の先見の明と言うか、志が第一ポイントだと言えます。
世界一の製品を作りたいとの志から、起業して職人3人だったが、当時2000万の工作機械を購入(現在でいえば、2億ぐらい)。
その後、すぐに3台追加購入。それに留まらず、必ず業界トップになるのだからと、社員4,5人の時代に工場用敷地5000坪を購入。
安定期に入った後も「絶頂期に次の手を打つ」との思いから、
コレットチャットにも一から着手して、現在は先発のカムと売上逆転。
次の事業として、再研磨事業も着手し取引企業4300社まで拡大。
全て、市場を分析して自社の強みで、1点集中の結果だと言えます。
第2のポイントは、社員モチベーションで、これは短納期にも繋がります。
社員重視、株主軽視の経営
これを生み出したのは、「3Kの職場で文句を言わず長い間働いてくれた社員」に対する梅原氏の素直な気持ちだと言えます。
上場した会社が、著作でこの文言を記載するのも凄いですが(笑)
その他のも、生きたマネジメントとして学べる要素が、実に豊富だといえます。
起業直後からの好業績を、労務管理にも適応し好循環をを継続させている点が素晴らしいと言えます。
・無駄は徹底的に省いているが、工場の蛍光灯などは格別に明るくしている。
・パートにもボーナス支給
パートから取締役にもなっている
・立ち話が会議の代わり
会議の時間は年間三〇分以下
・タイムカードはいらない
管理せずに社員の良心に任せる
・支給日前に退職した社員にもボーナスを支払う
●最後に適正価格
・売値には不況のときのしのぎ代も織り込んでおく
・不況時には安易に価格を下げるな
・機械の稼働率には三割の余裕をもたせる
三割の余裕で急遽の注文(単品も含め)も対応でき、
当然価格も割高に設定できると言うのが、発想の転換ですね。
●読書
社長業で忙しく、それ程読めませんがと断っていますが、
それでも年間200冊程度は読んでいるとの事です。
学びの材料として勧めています。
余談ながら、『島耕作』シリーズもお気に入りだそうです。
(笑)
細々と書いたように思いますが、まだまだ書きたい内容があった本です。
経営としてのみならず、人間的な側面からも学べた是非、一読して欲しい良書。
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