名将・王貞治勝つための「リーダー思考」 児玉光雄(著)
(SIサービス事業部 上田サブマネージャー 寄稿)
本書は
1:名将の言葉が教える「生き方論」
2:名将の言葉から学ぶ「リーダー論」の
二部構成になっており、
現役当時~福岡ソフトバンクホークス前監督時代で
王さんがいろいろ発言・提言されてきた内容を著者が咀嚼し、
あらゆる人向けに現在社会を生き抜く上でのノウハウを
紹介しているといった内容となっています。
内容的には簡潔な表現が多いので、
非常に読みやすく、2~3時間もあれば十分熟読できますが、
逆に何度も読むことが可能で、その時々の自分の置かれている環境や状況で
また本から受ける感じも違うような気がします。
ちなみにこの本は一昨年発売された本で、
昨年、王監督が勇退されたことで、今回改めて読み直してみたのですが、
素晴らしい言葉が沢山ありましたので、ここに紹介したいと思います。
1:名将の言葉が教える「生き方論」
< << 自分の存在をブランドに引き上げよう >>>
(著者の言葉)
一生懸けて自分のキャリアを磨く決意をした人間は幸せ者である。
仕事は縁。一生一心不乱に目の前の仕事に命を捧げた人は、ブランドになれる。
人間国宝と呼ばれる人たちだけが、その範疇にあるのではない。
< << 個性は相違点であることを理解しよう >>>
(2007年のシーズンを前に自軍の選手のことに触れて)
自分がどういうタイプのバッターなのかと、まず己を知ることが大事。
ところが、己を知っているという形で試合で表現する打者は少ない。
己は己でわかっていても、試合になるとつい目先の結果を求めてしまう。
レギュラーで出て、それなりの仕事をやっている人は己を知ったうえで、
それを試合で発揮できる。
(著者の言葉)
個性とは相違点のこと。自分が他人の違うことが個性そのものである。
個性とは相違点である以上、どちらがよくてどちらが悪いなんて言えない。
能の世阿弥が説いた「守・破・離」がプロフェッショナルになる過程をわかりやすく教えてくれる。
教科書に書いてある基本動作をまず習得し、
それを自分の個性で破り、
最終的には基本動作から離れていく。
これこそプロフェッショナルの極意である。
< << プレッシャーを楽しむことで味方につける >>>
(2005年シーズンにプレッシャーのとらえ方に触れて)
勝っているというプレッシャーはある。
でも、逆にそれを楽しまないといけない。
(著者の言葉)
「重圧を感じ取れるからよい仕事ができる」と、王監督は信じている。
考えてみれば、プレッシャーのかからない仕事なんて、たいした仕事ではない。
意識的に自分自身にプレッシャーをかけて、その緊張感を楽しもう。
< << 最大の得意技にテーマに絞り込もう >>>
(巨人の監督時代、選手としての自覚が不足していることについて触れた言葉)
だって、オレだって最初は下手クソで、投手をやれば失格。
打者に転向しても三振してばかりいる選手だったんだぜ。
それを一生懸命練習したから、こうなれたんだ。
(著者の言葉)
「一点集中」こそ人生を成功させる起爆剤。人生の時間には限りがある。
一芸に秀でたかったら、何かを捨てる勇気を持たなくてはならない。
やらなくてもいいことを潔く捨てられる人間しか、この世では成功できない。
過酷なビジネス社会では、2番目の特技なんてまったく評価されない。
なんでもそこそこやれる人間は、結局何もできない人間のことを言う。
< << あえて人生でリスクを取ろう >>>
(自分が採用した「一本足打法」について触れて)
一本足打法はもともと波が大きい。
逆に、一度波に乗れば、大爆発する特性もある。
(著者の言葉)
王はリスクのある一本足打法に命を懸けた。それが彼に偉大な成果をもたらした。
この世の中で、リスクのないところに宝の山は絶対存在しない。
だから、リスクの伴わない行動に貴重な人生の時間を費やすべきではない。
パイオニア精神で、誰も踏み込んだことのない領域にリスクを冒してチャレンジしよう。
人生の醍醐味はそこにある。
リスクを取ることを快感にして、自分がやりたいことにのめり込む。
人生とは、そのことの連続であるべきだ。
< << 努力によってしか幸運は引き寄せられない >>>
(王監督の言葉)
よりうまくなりたいと思えば、肉体や精神の苦しみも倍加する。
しかし、苦しんだ分だけうまくなれば、うまくなるためには
苦しむのが当然だと思えるようになる。
こうなったら、もうしめたものだ。
2:名将の言葉から学ぶ「リーダー論」
< << ハートによって結ばれているチームは強い >>>
(2006年7月5日の休養宣言の日、投打の中軸松中信彦と斉藤和巳に告げた言葉)
オレは明日、チームを離れる。
二人でチームをまとめてくれ、後は頼む。
(著者の言葉)
リーダー不在という危機感をメンバーが共有しながら、
修羅場を経験することにより、団結力が芽生えて
チームは自然にまとまるようになる。
< << 部下の働く環境を整えるのがリーダーの仕事 >>>
(著者の言葉)
ビジョンの貧弱なリーダーからは、やはりビジョンの貧弱な部下しか生まれない。
一方、壮大な夢を持って邁進するリーダーの元には、野望を持った部下が育つ。
< << 今日を人生最期の日であるかのような生き方をしよう >>>
(2006年胃の摘出手術を受けた後に人生観について語った言葉)
ああいう病気をしてみて強く感じるのは、”やるべきことをやっておかないと
後で後悔する”ということなんです。
(著者の言葉)
もちろん、あなたはたぶん明日生きているはずだ。
しかし、明日のことを今日考えてはいけない。人生を充実させたかったら、
今日しかできないことに意識を絞り込むこと。
後悔というものは、たぶん今日やらねばならないことをしなかったことによってのみ発生する。
< << プロセスを重視する観察眼のあるリーダーになろう >>>
(1997年のシーズン、プロ3年目の城島をレギュラー捕手に抜擢したときの言葉)
強いチームには必ず名捕手がいる。捕手を育てるには時間がかかる。
城島は打撃は一流だ。若い彼が名捕手になって力を発揮し、チームを引っ張っていけるようになれば、
ダイエーは必ず強くなる。
(著者の言葉)
逃げ道を与えず部下を使い続ける。自信のないリーダーにはこれができない。
結果にはあまり反応せず、プロセスだけを重視する
観察眼のあるリーダーが部下に慕われるのだ。
たとえすぐに結果が出なくても、先見力を駆使して長い目で育てる。
そういうマクロな視点がリーダーに求められる。
< << しかり方の基本テクニックを理解しよう >>>
(1965~73年までのV9を成し遂げた現役当時の川上監督のしかり方に触れて語った言葉)
9連覇を続けていた当時の巨人軍の試合後のミーティングは、勝ったときのほうが長く、
負けたときは短かった。それは勝ったときのほうが誰も素直に聞き入れるから、
川上さんはどんな小さなことでも、反省材料として取り上げてきたのである。
しかり方の難しさというか、人間集団を一つの目標に向けて、全員を引っ張っていこうとするときは、
しかるタイミングというのが大切な要素に思えてくる。
川上さんは、ここ一番というとき、皆の前で長嶋さんをしかった。
私は監督室に呼ばれてしかられた。
これは長嶋さんと私との性格を見抜いたうえでの、川上さんのしかり方だったと思う。
(著者の言葉)
プロジェクトがうまくいったときこそ、手綱を締める絶好の機会である。
うまくいった後ほど、メンバーはリーダーからの自分たちの考えの甘さの指摘を
謙虚に受け入れることができる。逆に失敗したときには、反省会はあまり役立たない。
なぜなら落ち込んでいるメンバーにうまくいかなかった原因を問い詰めると、
彼らはますます落ち込んでしまう。
< << 人望の定義について理解しよう >>>
(著者の言葉)
指示するだけでふんぞり返っているだけのリーダーは、部下の人望は絶対得られない。
むしろ、「どれだけ指示しないか」によって、そのリーダーの力量が決まるのである。
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(読み終えての感想)
人生論では
とにかく自分の得意技を磨き、他人には出来ない特化した技術を習得すること。
そして個性を際立たせることで、自分の存在をブランディングすることの重要性について
書かれてあり、前向きに人生と向き合うための言葉がここには書ききれないほど
沢山書かれてありました。
そして、リーダー論では
今現在、私も直面しているような様々な局面において
リーダーとしてどう考え、実行すべきかのノウハウが沢山書かれています。
特に人望の定義について理解しようの
「どれだけ指示しないか」によって、リーダーの力量が決まる。
というのが強く心に残りました。
昨年社内で受講したプロジェクトマネジメント講座で学んだリーダーシップ論
部下に「気づき」を与えて、人間性を高めさせながら、目標に向かわせることの重要性を
改めてこの本から学びました。
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