2008/6/19 木曜日

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 勝間和代(著)

Filed under: 勝間和代さん — morinaga @ 2:17:23

【 目 次 】
はじめに

第1章 「ビジネス思考力」を定義する!
「ビジネス思考力」を定義する!
なぜ今、「ビジネス思考力」が必要なのか
ベストセラーに見る労働環境の変化と市場のニーズ
「教えて君」から脱却しよう!
思考の六つの段階
ブルーム博士の思考の六段階モデル
知識のレベルで思考を止めない!
ビジネス思考力をつけることで得られる五つの果実
ビジネス思考力はコツさえわかれば、日常生活で習得が可能

第2章 ビジネス思考の基礎となる7+1の力
まずは「フレームワーク力」のお話から
基本的なフレームワーク21選!(カラー図解つき)
既存のフレームワークから新しいフレームワークをつくる
書籍の知恵をフレームワークで整理するクセをつける
「○○○力」とは何を示すのか、というと

第3章 一つめの力 論理思考力
論理思考をわかりやすくいうと
そもそも、「論理」って何?
論理思考力を身につけるための三つのテクニック
MECEに分類するクセをつける ほか
論理思考力を身につけるための四つの実践方法
「なぜ5回」を繰り返す ほか
とはいえ、「あと知恵バイアス」には注意!

第4章 二つめの力 水平思考力
水平思考力をわかりやすくいうと
デボノの有名な問題
想定した範囲以外から解を出す
水平思考力を身につけるための三つの基本テクニック
自分が無意識に使ってしまっている前提を疑うほか
水平思考力を身につけるための四つの実践方法
種になりそうなアイデアの量をとにかく増やしてみる ほか

第5章 三つめの力 視覚化力
視覚化力をわかりやすくいうと
視覚化力をつけるための三つのテクニック
画像が持つパワーを理解し、効率的な情報処理方法として活用する ほか
視覚化力を身につけるための四つの実践方法
フォトリーディング+マインドマップをマスターする ほか

第6章 四つめの力 数字力
数字力をわかりやすくいうと
画像の対極、数字の世界
数字は、正確な情報共有のためのもの
数字を組み合わせる力は創造性につながる
数字力を身につけるための三つのテクニック/四つの実践方法

第7章 五つめの力 言語力
言語力をわかりやすくいうと
言語力を身につけるための三つの基本テクニック

第8章 六つめの力 知的体力

第9章 七つめの力 偶然力

最後に
巻末 お薦め書籍・アイテム・URL 50

目次の長さで圧倒される内容です。
しかしこれでも、目次全てを記載してはいません。(笑)

勝間さんの著作の場合、ブログでポイント・エッセンス・キモだけを抜き出して、
記事にしようと考えても、不可能だと言える濃さです。

とりあえず、私個人にとって印象深い部分を記してみます。

●はじめに

書名にある「ビジネス頭」をつくる、すなわち「ビジネス思考力」を身につける 

これが本書の目的で、1行目に明記しています。

●第1章 「ビジネス思考力」を定義する!

ビジネス思考力を鍛えるのに覚えたいのが、「ブルーム博士の思考の六段階モデル」
知識ー理解ー応用ー分析ー統合ー評価
左から順に底辺から頂点へのピラミッド構造となっている
この6つのプロセスを回し続けているか?
知識のレベルで思考を止めない

耳が痛い内容です。(特に、「知識のレベルで思考を止めない」は・・・)
勝間さんは知的生産のシンポリック的な人ですが、実行の人としても有名ですから。
(前準備として、あらゆる事をご自身で、実験・試行錯誤されています。)

●第2章 ビジネス思考の基礎となる7+1の力

・全ての思考はフレームワークからはじまる
・フレームワークとは、現実を観察する方法を構成する仮定、概念、価値、慣行の集まり
・大事な事は、新しいフレームワークを自分でつくっていくこと

ここでは有名なものも含め21のフレームワークを厳選しています。
自分自身で個別に調査し、習得したいですね。

 1.空・雨・傘
 2.戦略の3C
 3.マーケティングの4P
 4.5W+1H
 5.PDCAサイクル
 6.採用者分布曲線
 7.製品進化のトライアングル
 8.CTQ(シックスシグマ)
 9.戦略キャンパス
10.事業の優先優位づけマトリクス
11.バリューチェーン
12.所得金額階級別世帯数の相対度数分布
13.人工分布曲線
14.WILLーSKILL マトリクス
15.SWOT マトリクス
16.影響要因
17.組織の7S
18.緊急度と重要度のマトリクス
19.PPM分析
20.VRIO分析
21.水平思考の6つの帽子

●第3章 一つめの力 論理思考力

・三つの基本テクニック
 1.MECEに分類するクセをつける
 2.ピラミッド・ストラクチャーで展開
 3.すべての思考を仮説からスタート

数式でも記されてます。
 MECE+ピラミッド・ストラクチャー=仮説思考

MECEで漏れとダブリを防ぎ、ピラミッド・ストラクチャーで分解する事により、
分析がしやすくなり、「統合」「評価」のプロセスへつながりやすくなる。

実例として、ベストセラー漫画NANAがブレイクした理由を論理思考しています

●第4章 二つめの力 水平思考力

ロジカル・シンキングは絞り込む思考法
ラテラル・シンキングは広げる思考法
ロジカルが垂直、ラテラルが水平の軸で、組み合わせて「立体思考法」

個人的経験から、このイメージは解ります、たぶんですが(笑)。
運用業務でトラブル発生時、当該システムに熟知したSEは、ロジカルに展開していき原因を詰めていきます。
少しじれったい時もありますが、間違いは少なく、絞り込みの要領ですね。

運用業務(外側)から憶えてきた運用担当者は、経験から判断するので、
脈絡もなくいくつかのポイントを挙げてくる事があります。
これなどは原因を探る為、経験から思考を広げている感があります。
全くの見当違いの場合もありますが、迅速に解決する場合もあります。

開発・運用をした担当者なら、両面から把握しているので早く深く対応可能ですね。

水平思考力を身につける基本は以下の3つと。

1.前提を疑う
2.見方を変える
3.組み合わせてみる

論理思考力、水平思考力から分析的な考え方が可能になったら、
次は、統合的な考え方です。
以下の3つ(視覚化力・数字力・言語力)を統合して初めて考えを整理して、
人と共有することができるようになると。

●第5章 三つめの力 視覚化力

・三つの基本テクニック
1.画像の力を理解し、効率的な情報処理方式とする
2.デザインの力と意味を身につける
3.画像・文字情報の組み合わせで活性化

「水平思考力と視覚化力はビジネスの場で使いきっている人が少ない、
つまり、考え方の穴場」ともあります。

この他にもフォトリーディング、マインドマップ、イメージ・ストリーミング、
イラスト・図表、そして … 睡眠・夢までを含めての実践方法も記しています。
この辺りが多読家であり実践家である勝間さんならではで、
概念の説明だけでなく、一歩踏み込んだ内容となっていると感じました。

 

●第6章 四つめの力 数字力

・三つの基本テクニック
1.数字の意味を知る
2.数字に分解する
3.統計を読む

ここは、私自身が数字が強いタイプとはいえないので、
耳も痛かったですが逆に新鮮でした。

数字を概念的に定義した経験がなかったので、以下の事には唸りました。

1.数字とはあくまで、複数の人間で情報を共有し
  意志決定を助けるものであり、厳密にはあいまいな部分もある。
2.数字の一番の役割は、感性と理性をつなぐことにある。
3.絶対値というより相対感で測るためのコミュニケーション・ツール

この章では、身近な「数字」を概念を、あ・ら・た・め・て考えさせられました、ホント。
(あくまで、抜粋ですので、この他の数字に対する概念にも感嘆しました。)

●第7章 五つめの力 言語力

・三つの基本テクニック
1.多くの知識・説明を知る
2.言葉に落とす習慣をつける
3.比喩を意識する

勝間さんの経歴から数字に強いイメージがありましたが、
言語力に言及した部分で、又しても、イメージを打ち破られました。
読書家である事から言えば、当然だとも言えるのですが、
速読のイメージから活用の為の読書といった感がありましたから、
特に比喩に関する部分には、正直驚きました。

私たちは言葉を使って、意識層の中でコミュニケーションしているわけですが、
ほんとうにコミュニケートしたいのは、相手の無意識層の中にある過去の経験値です。
そうすると、新しい言葉・概念を相手の心にすっと落とすための比喩の力が必要となってくるのです。

全然、思い浮かばなかった考え方でした。
自分がいかに浅い部分で終わっていたかを、強烈に感じた一文でしたね。

もう一点も同じく、いかに言葉に対して未定義であったかを思い知らされたと。

言葉というのは、非常に限られた情報量で、自分の体験を相手に伝える、
考えを相手に伝える、感触を相手に伝えるための手法です。

通常でいえば、フレームワークと言えば此処までで終わっても何ら不思議はありませんが、
ここからの知的体力と偶然力が勝間さん流といえます。
これまでの著作で読み流していると、偶然力は新しい勝間さんの部分と感じるのではないでしょうか?

これまでの5つの能力がいくら優れていてたとしても
以下の2つが優れていなければ、平均的レベルにとどまってしまうと。

●第8章 六つめの力 知的体力

・三つの基本テクニック
1.身体と頭の関係を理解する
2.健全な精神が健全は発想を生む
3.食べ物と知力の関係を理解する

実践方法と書かれた事で興味深かったのが、
仏教でいう三毒を追放することです。 三毒とは?

妬む、怒る、愚痴る

この言葉を知った2001年以来、A4の紙にプリントアウトして、
会社の自分のブースの壁にずっと貼っていたとか。
(効用も書いてます。)

私が勝間さんの著作を読んできた感想で言えば、精神的なお話は少なく、
コストパフォーマンスや読者を意識した、実務的な内容が中心であったと。

じゃ、全くないかと言えばGiveの5乗を中心に、実務的な効用を前面に押し出しているので、
印象が薄く感じてます。
ただ、ブログ、その他の活動、本書のあとがき等を見ていると、
一番のキモは、こいいった部分でないかと思っています。
これは、偶然力にしてもしかりです。

●第9章 七つめの力 偶然力

・三つの基本テクニック
1.偶然のチャンスを生かす
2.与えられた情報の中からつながりを見つける
3.無理に格好をつけない

ここは以下の説明がポイントだといえます。

予期せぬ出来事はどうしても起こるのだから、それを避けるのではなく、
起きたことをつねに最大限活用しよう。

※番外
私事ながら、中学生ぐらいに将棋が好きになり、定跡集や将棋雑誌を購入し読んでいました。
”はじめに”で、「将棋にたとえるなら、定跡集~」とあったり、
”最後に”では、私が初めて買った定跡集の加藤一二三氏の名前が出たりといった部分も面白かったです。
(加藤一二三氏は一時期、全て購入していましたから(笑))

もう一人、後書きで挙がっていた棋士の羽生氏です。
最近、永世名人になりました。

※非常に参照となる部分があるので、必読だと思う書評
以下の書評に関しては、是非とも読まれる事をお勧めします。

1.マインドマップ的読書感想文 【強力!】勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力
トラックバックURL : http://app.blog.livedoor.jp/smoothfoxxx/tb.cgi/51443675

2.俺と100冊の成功本 勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力
トラックバックURL : http://blog.zikokeihatu.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1383

3.404 Blog Not Found 型の力で肩の力を抜け – 書評 – ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力
トラックバックURL : http://app.blog.livedoor.jp/dankogai/tb.cgi/51065115

2008/6/8 日曜日

出逢いの大学 千葉智之(著)

Filed under: 営業・販促 — morinaga @ 7:54:21

 【 目 次 】

第1章 人脈について考えてみよう
 講座1 本物の人脈とは
 講座2 人脈は最強の自分ブランディング
 講座3 人脈は最高の「将来への漠然とした不安病」特効薬
 講座4 ミラーの法則 人脈はあなたを映す鏡
 講座5 逆ミラーの法則 イケてる人と交流しよう!
 講座6 予測不能ネットワーク
 講座7 見返りを期待しないことがもっとも見返りを得る秘訣
 講座8 相手の望むことを探すコツ
 講座9 与える力でクリエイティブになろう!
 講座10 これは厳禁!! お山の大将
 講座11 悪口ほど早く伝わる
 講座12 人脈は1日にして成らず

第2章 毎週知らない人に会いなさい
 講座13 とにかく、人に会う機会を作れ!
 講座14 1人との出逢いで人生が変わる
 講座15 原因と結果の法則 昨日と違うことをしよう!
 講座16 新規顧客を開拓せよ!
 講座17 量稽古をすればかならず量が質に変化する!
 講座18 100億円の話 知らないことは想像できない
 講座19 人と出逢うしくみを作れ!
 講座20 瀬戸内海の孤島で見た人脈の極意
 講座21 サラリーマン人脈は狭い!
 講座22 ハブとコネクターの法則
 講座23 主催者の5つのメリット
 講座24 異業種交流会「パワーディナー」成功のエッセンス
 講座25 情報発信の法則 情報は発信するところに集まってくる!
 講座26 継続の力 TOP5%への入り方
 講座27 人脈は手押し車である

第3章 黄金の人脈を作る振る舞い方
 講座28 フェア・スタンスで人脈チャンスを広げよう!
 講座29 マスターキーの法則 好きじゃないけど、嫌いじゃないの心構え
 講座30 人脈ブランディング思考のメカニズム
 講座31 超楽観主義論1 プラス思考でいきましょう!
 講座32 超楽観主義論2 気分をプラスにもってくテクニック
 講座33 超楽観主義論3 ケーススタディ実践編
 講座34 交流会の見分け方 参加費、主催者、募集方法で決めろ!
 講座35 交流会の価値ってどれぐらい?
 講座36 交流会での振る舞い方 3つの心得
 講座37 天秤の法則 自分のおもりを意識しろ!
 講座38 交流会で話し好きから逃げる方法
 講座39 目利き力と組み合わせ力を磨け!
 講座40 喜んで人に紹介してもらえる人になるには? 

第4章 黄金の人脈を作るテクニック集
 講座41 初めてのお誘いは100倍の価値がある
 講座42 頼みごとをされたら勝ち!
 講座43 外見より中身が大事?
 講座44 クイック・レスポンスのすすめ
 講座45 実録、NG人脈な人々
 講座46 「好き」を仕事にする
 講座47 人脈ブランディング流SNS活用術
 講座48 人脈ブランディング流時間管理術
 講座49 人脈ブランディング流名刺管理術
 講座50 人脈ブランディング流オススメBOOK

 人脈ブランディング講座

マインドマップ的読書感想文の書評にて興味を持ち、読みました。
購入時に目にした帯の文字にも、惹きつけらました。

普通のサラリーマンが黄金人脈を作る法則
  普通の僕が「普通」から抜け出した人脈術

これまで、人脈術の本を読んできて感じた事は、質的に考える点では非常に有用だと言えました。
しかし、成功した方・著名な方が書かれた本は、普通のサラリーマンである僕には、特殊な方法論と読めるので、なかなか実生活上に活用できなかったといえます。(この本を読んで、間違った概念であった事を知りましたが…)

著者の千葉氏は、上京した時点での友達ゼロから、3年で3000人以上の交遊関係を築き、SNS「GREE」でも、1年で17コミュニティー、会員数7000人まで成長させた実績を持たれています。本書の巻末にも、オススメBookとしてあるので、文末に記しておきます。

著者の言う「本物の人脈」とは?

ビジネスライクでない、もっと深い人間的なつながり。

これはいきなりできるわけではなく、地道な行動の積み重ねの結果でき、そこには間違いなく「法則」が存在し、それを詰め込んだのが本書であると。

●印象に残った部分

・人脈が必要な理由は、「環境が人を作る」、すなわち、周りの人に影響を受けるから。
・ミラーの法則
 「俺のまわりにはろくなヤツがいねえなあ」と思っているなら、その時点であなたが「ろくなヤツじゃない」
・人脈は予測不能のネットワーク
 だから、見返りを期待せず、人が喜ぶことをやってあげることが、「本物の人脈」を手にいれるキーポイント
・厳禁、お山の大将
 どんな世界にも上には上がいて、「おごったらお終い」
・量稽古をすれば、量が質に変わる
 合わない人間がいても、初対面を続けていくと、「嫌なヤツが減ってきたこと」に気付く。

ここまでは、著者の経験からの発言でした。若くして人脈の価値に気付いて、実践してきた著者の言葉であるからこそ、素直に読めると言えます。で、概念でなく、具体的な方法についてです。

・人脈を広げるには、イベントの主催者になる事が最も効果的。
 情報・人が集まってくるだけでなく、主催しないとわからない人脈ナレッジを学ぶ事ができると。
・フェアスタンス
 誰に対しても同じように振舞う
・超楽観主義論1 - プラス思考でいきましょう!
 理屈をこねまわし、文句を言っているネガティブな人よりも、ポジティブな人の元に人は集まる
・交流会3つの心得
 1.料理は殆んど食べない。(料理に時間をとられるな)
 2.記憶に残るキャッチフレーズを
 3.主催者に紹介してもらう
・初めてのお誘いは、100倍の価値がある。
 ここは外してはいけない、ポイントだと。初めてのお誘いには必ず行け!

数々の交流会を主催したり、出て、得たノウハウの一部です。
若い人ほど、是非とも読んで欲しい内容だと思います。
若い時の人脈は1生ものになる事が、多いと思いますから。

”おわりに”では、千葉氏が「人脈ブランディング」のエッセンスを2点に集約されてます。

・見返りを期待しない
・好奇心をもって、とにかく動く

マインドマップ的読書感想文 トラックバックURL:http://app.blog.livedoor.jp/smoothfoxxx/tb.cgi/51417852

千葉智之氏 オススメBook

その他、個人的に面白かった本 

2008/6/7 土曜日

町工場 強さの秘密 梅原勝彦(著)

Filed under: 経営・経営者 — morinaga @ 15:33:37

 【 目 次 】

第1章 驚異の記録~37年連続売上高経常利益率35%以上
第2章 町工場こそわが人生
第3章 短納期の秘密
第4章 これが利益を出す経営だ
第5章 成功するために必要なこと
第6章 日本のモノづくり再生計画

『驚異の記録~37年連続売上高経常利益率35%以上』とあるが、実はもっと凄い。37年間の利益率平均でいえば、41.5%、円高不況、バブル崩壊時でも35%以下にならなかったと。

本業は、工作機械の部品加工を手掛ける町工場。

インターネット・IT活用の合理的経営でなく、
高いリクルーティング能力もなく、
社員のモチベーションを引き出す最新のマネジメントもなく、
強力な営業もなく、
高収益を生む出す財務戦略もない

それでいてこの実績を生み出したのは?

利益の源泉は基本にあり……
三つの基本を愚直に実践
短納期・高品質・適正価格

これはどの企業でも解っている事でしょう。
「言うは易し、行うは難し」です。

●個別に見てみると、まず短納期

・短納期だけれど時間はかける
・大事なのは作業に取り掛かるまでの時間
・注文の約七割が当日に発送
・機械の稼働率には三割の余裕をもたせる
・短納期を実現できる最大の要因は社員のモチベーションの高さ

最大のポイントは、「大事なのは作業に取り掛かるまでの時間」

府中の本社で注文を受けてから、山梨の工場で作業にとりかかるまで、ものの5分とかからないのです。

具体的には下記の通り
注文は本社で電話かFAX。
注文伝票をFAXで工場に。
工場の事務員が伝票確認して、エアシューターにて現場へ。
現場担当者は、伝票を受取り資材置き場から材料選択し、
機械にセットして作業開始。
受注から生産までは非常にアナログ的です。
スピードに注視した方法だから可能だといえます。

工場での作業も、3歩歩くところを1歩にするにはなどの努力もあります。

「モノづくり」での手法ですのから、全ての業種に適応できるとは言えませんが、
結果からみれば、学ぶべき視点・手法ではないかと思います。

●次に高品質
これは、梅原氏の先見の明と言うか、志が第一ポイントだと言えます。
世界一の製品を作りたいとの志から、起業して職人3人だったが、当時2000万の工作機械を購入(現在でいえば、2億ぐらい)。
その後、すぐに3台追加購入。それに留まらず、必ず業界トップになるのだからと、社員4,5人の時代に工場用敷地5000坪を購入。

安定期に入った後も「絶頂期に次の手を打つ」との思いから、
コレットチャットにも一から着手して、現在は先発のカムと売上逆転。
次の事業として、再研磨事業も着手し取引企業4300社まで拡大。

全て、市場を分析して自社の強みで、1点集中の結果だと言えます。

第2のポイントは、社員モチベーションで、これは短納期にも繋がります。

社員重視、株主軽視の経営

これを生み出したのは、「3Kの職場で文句を言わず長い間働いてくれた社員」に対する梅原氏の素直な気持ちだと言えます。
上場した会社が、著作でこの文言を記載するのも凄いですが(笑)

その他のも、生きたマネジメントとして学べる要素が、実に豊富だといえます。
起業直後からの好業績を、労務管理にも適応し好循環をを継続させている点が素晴らしいと言えます。

・無駄は徹底的に省いているが、工場の蛍光灯などは格別に明るくしている。
・パートにもボーナス支給
  パートから取締役にもなっている
・立ち話が会議の代わり
  会議の時間は年間三〇分以下
・タイムカードはいらない
  管理せずに社員の良心に任せる
・支給日前に退職した社員にもボーナスを支払う

●最後に適正価格

・売値には不況のときのしのぎ代も織り込んでおく
・不況時には安易に価格を下げるな
・機械の稼働率には三割の余裕をもたせる

三割の余裕で急遽の注文(単品も含め)も対応でき、
当然価格も割高に設定できると言うのが、発想の転換ですね。

●読書
社長業で忙しく、それ程読めませんがと断っていますが、
それでも年間200冊程度は読んでいるとの事です。
学びの材料として勧めています。
余談ながら、『島耕作』シリーズもお気に入りだそうです。
(笑)

細々と書いたように思いますが、まだまだ書きたい内容があった本です。
経営としてのみならず、人間的な側面からも学べた是非、一読して欲しい良書。

2008/6/2 月曜日

鍵山秀三郎氏 (師範塾講義) 2008年6月1日(日)

Filed under: 経営・経営者 — morinaga @ 22:46:01

師範塾 第7期生 第10講座 (2008年6月1日(日))での、鍵山秀三郎先生の講義に出席しました。イエローハット創業者であり、創業当時からの掃除で多数の人々の共感を呼び、「日本を美しくする会」の相談役でもあります。

出席にあたり、改めて「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」を読み、清廉潔癖な思想に強く感動しましたが、講義での鍵山氏の話は、静かで暖かく、本を読んだ時以上に強烈な印象を受けました。

美徳も度を超えると、悪徳になりうる。
  ・忍耐 - 怨恨
  ・謙譲 - 卑屈
  ・調和 - 妥協
  ・勇気 - 粗暴

美徳は何よって美徳として踏み止まっているのか?
それは、「人への強い(熱い)愛と思いやり」である。

生い立ち、独立
両親からの教え - 掃除
 貧しかったが、惨めにならなかったのは、汚い所を掃除で綺麗にしていたから。

自動車関連会社に入社
 来る日も来る日も掃除し、3年して社長から認められるようになった。
 5年後に待遇もよくなった。
 ただ、その会社だけでなく業界の販売方法に納得できなくなっていた。

独立
 理想を具現化したい、「理想のような株式会社」が夢

学び
 鬼はいないが、鬼のような人はいる
 仏様はいないが、仏のような人はいる

 10年偉大なり、20年恐るべし、30年一つの歴史となる

継続できた理由
 ・今までの努力が無駄になる
 ・継続は工夫する事である。だが、その前に愛する事が必要。
  しかし、愛するのは難しい。だから工夫しなさい。

教育について
 ・教育とは流れる川に文字を書くよう儚さだ

掃除について
 ・掃除はその会社を語る、無言の表現であり、その人の人柄を移す無形の鏡である

人、学校、会社、組織などは、年を経れば美しくならないといけない

心の開拓、頭脳の錬磨、実践力の養成
 頭脳の錬磨 - 記憶は思考の手がかりである、思考は記憶を活用する

記憶力が衰えるのは、感動しなくなる為。
(外的刺激からの)感激でなく、(内的発生の)感動を!

大事な事 - めんどくさくて、手間がかかって、できればやりたくない事である。 

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掃除に関して思想・概念だけでなく、方法、実例等々詳細に記されています。

かの有名な桜井章一氏との共著で、これは異色と言えました。

ごく最近では、陽明学に関するこの書籍でも鍵山氏に関して記述されていました。

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