
勝間さんの経歴・キャリアを見ると、上記のように変遷してきています。
①公認会計士資格取得
②アーサー・アンダーセン(監査法人)
③チェース銀行
④マッキンゼー(コンサルティング)
⑤JPモルガン証券(証券アナリスト)
このうち、コンサルティングでの経験からの本格的著作はなかったのですが
(既刊の随所で垣間見れましたが)、
ついに、本格的な企業活動に関する書籍といえます。
今回は、「利益」に関してで、非常に多角的な見地から書かれています。
いつもの如く、参考文献とその概念を絡めており、この本で終わることなく拡がりが持てます。
内容が豊富すぎるので(笑)、目次に沿ってざっと概観していきたいと思います。
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| 第1章 なぜ、利益の概念が必要なのか
「売上増は七難隠す」といった言葉から、売上管理中心だった概念での問題を提起しています。もはや、日本国内では殆んどの市場で飽和状態の為、売上高が利益に結びつきづらい。加えて、少子化の面からも与える影響がいかに大きかと。
マクロ的な視点だけでなく、大企業・中小企業の問題点まで踏み込んでいます。第1章に関連した「必読の一冊」との事です。
| 第2章 利益はどう計算するのか
固定・変動費からの視点での問題点(現場での行動規範にしずらい)を指摘。
そして、。(勝間さんのコンサルタント・証券アナリストでの経験から、この本のエッセンス・キモがここで提示されています。
「万能利益の方程式」
利益=(顧客当たり単価
ー顧客当たり獲得コストー顧客当たり原価)×顧客数
ここからは、全てこの方程式をもとに進みます。
ここで最も注目は、 「現代ビジネスの特徴」と言いきっている「顧客当たり獲得コスト」です。
財務会計に関して入門編の1冊。

| 第3章 利益を上げる方程式の解き方
ここでは、簡単に方程式の各項目の説明です。
それぞれにおいて効果を上げるのは、単純な話と述べられており、私も読んでいる途中でもそう感じました。
ただ、全部を読むと、過去からの日本でのビジネス慣習の問題点が絡んでおり、その辺も見落とさない必要がありますが。
4つの原則の実行はそれほど単純な話ではない
結論的に、上記題名のパラグラフでまとめています。
この意味の深さも、この後の章を理解しなければ、簡単な字面にしか読めないですね。
ここでは、問題解決手法が必要であり、その為の一冊との事です。

| 第4章 原則1 どうやって顧客単価を上げるのか
基礎知識1 顧客単価が利益に最も影響する
基礎知識2 顧客単価と潜在顧客数は相反する
基礎知識3 顧客が増えるほど、平均顧客単価は下がっていく
基礎知識4 顧客の持つニーズ、とくにコンプレックスの大きさに応じて顧客単価は決まる
基礎知識5 プライシングとは、顧客が気持ちよくお金を支払ってしまう仕組みのことである
etc.
バリュー・プライシング、可処分所得、コンプレックス市場(薄毛・肥満・豊胸・金儲け・恋人探し等々)
下流社会、ミシュランガイド、アルマーニ等々の例から顧客単価の引き上げについての章です。
B2Cのみならず、B2Bまで転用できる実証プロセスまで説明しています。
マッキンゼーにおけるプライシングの良書との事です。

フォーカス・グループ・インタビューの手法が記載されているとの事です。

|第5章 原則2 どうやって顧客獲得コストを下げるのか
基礎知識1 商品力が顧客獲得コストを下げる
基礎知識2 顧客を積極的に選択することが顧客獲得コストを下げる
基礎知識3 顧客獲得コストはちょっとした工夫で大きく変わる
基礎知識4 顧客の獲得も重要だが、ロイヤル顧客の維持はもっと重要である
基礎知識5 口コミは究極の顧客獲得手段である
etc.
「集団の知恵の法則」(有名なのはWikipedia)、ジップの法則、ヒューリスティク、口コミ等から顧客獲得コスト削減を記しています。
その他にもイノベーション、バズ・マーケティング等の必須事項ばかりです。
技術革新におけるジレンマを記した必読書ですね。

クチコミの原点で、これも必読書です。

|第6章 原則3 どうやって顧客原価を下げるのか
基礎知識1 原価には業種ごとの相場がある
基礎知識2 過剰な品質、過剰な設備投資、過剰な人員投資が原価高を招く
基礎知識3 価格以外の軸を原価に持ち込むと原価引き下げのアイデアが生まれる
基礎知識4 仕入先を工夫すると原価は下がる
基礎知識5 結局は地道なベンチマークが決め手になる
etc.
プレステ、Wii、DS、NEC、ガリバー等を例に顧客原価に関して述べています。
有名な京セラの原価管理も言及しています。
「イノベーションのジレンマ」の続刊で、どうすべきかに踏み込んだ必読書です。

これも知っておかなければならない、概念です。

コスト削減の方法とその効果を記した名著です。

|第7章 原則4 どうやって顧客数を伸ばすのか
基礎知識1 何はなくとも「S字カーブ」の法則は理解をする
基礎知識2 顧客セグメンテーションの基本はやはり年齢・性別・所得にある
基礎知識3 潜在顧客数の規模は事前にほぼ把握できる
基礎知識4 団塊世代、団塊ジュニア世代が重要である
基礎知識5 客寄せビジネスと受け皿ビジネスの両方を用意する
etc.
「イノベーションの普及」と「キャズム」で提示された概念をもとに、顧客数の伸長について記されています。(「イノベーションの普及」と「キャズム」を知らずともここを読めば、必須概念を知る事ができます。)
これも超有名な必読書です。

戦略・戦術論のみでなくマクロ的な視点も、勝間さんの優れた部分です。

|第8章 明日からできる行動習慣
顧客単価を上げるための行動習慣10
顧客獲得コストを下げるための行動習慣 10
顧客原価を下げるための行動習慣10
顧客数を増やすための行動習慣10
etc.
勝間さんの著作の特徴といえる最終章です。
とにかく毎回、 「まとめ、まとめ、まとめ」と繰り返しと簡略化で締めています。
また、必ず行動に繋がるような締め方でもあります。
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「新インディ」が出版された時点で今後の方向性が難しいかなとも考えていましたが、
全くもって期待を裏切るというか、予想を遙かに超える「停滞無き上昇気流」です。
底力を見せた一冊と言えます。
過去を振り返っても、個人の活動で、(一般ビジネス人に)ここまで広く影響を与える人は
ちょっと思い浮かばないですね。かつて一世を風靡した経営者・コンサルタントを振り返っても、裾野の広がりと影響度では桁が違うと言えます。
冒頭でも記しましたが、勝間さんの著作で顕著な特色というのが、本書を読む事で多くの知識・ヒントを学べますが、同時に「知覚の扉」の役割も担っているといえます。
個人ノウハウでなく先人の知識を見事に活かしきっているだけでなく、広範に知らしめている部分も素晴らしいの一言です。
(通常、それ程売れないような専門書・高額書が売れるのみならず、絶版本も復刻させています。)
今年も、勝間さんの活動から目は離せないと言えます。
今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、
“「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。