ウェブ国産力 佐々木俊尚(著)
主としてIT分野に関し、相当なスピードで次々と著作を出版している佐々木俊尚氏の新書です。
佐々木氏の著作は国内のIT・ウェブ業界に関して、豊富な情報を知る事ができるだけでなく、その精力的な取材の為、概念的でない、現実が明確に感じられる内容となっています。
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( 目 次 )
はじめに
第1章 未来検索ブラジルはグーグルの夢を「見ない」
第2章 持ち運ぶ「ライフログ」端末、日本のケータイ
第3章 ブログ検索でマーケティングが一変する
第4章 「気づき」を与えるアーキテクチャー
第5章 リアル世界とインターネットをつなげるウェブ国産力
第6章 情報大航海プロジェクトを推進する男
最7章 ウェブ国産力が世界を制するために
エピローグ
あとがき
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( 内 容 )
○第1章 未来検索ブラジルはグーグルの夢を「見ない」
1994年からの検索エンジン黎明期を振り返っているが、ほんの10数年間の変遷が凄く、グーグル盛隆の今でさえ、揺るぎなき牙城に見えるグーグルでも安穏とはできない事が歴史からわかる。
2003年以降、検索エンジン・プレイヤーが消滅した国内であったが、ここにきて新たなムーブメントが発生してきている状況も書かれていた。
グーグルの検索エンジンは完成版(改良は今もされ続けているだろうが)のように感じていたが、新境地を求めて研究している企業が続々と出てきているんですね。
一般的には、コモディティ(日用品)化された分野には新規参入が難しいと書かれているにもかかわらずである。
そう、検索エンジンは既にコモディティ化されていると。
・コモディティ化された商品が選ばれる要因
1.価格が他商品より安い
2.「慣れているから使う」習慣性
3.「目立つところにある」とっつきやすさ
4.「特典、サービスがある」という付加価値
しかし、未来検索ブラジルの開発責任者は、新規参入の困難さは理解していながら、「誰もきづいていないブレイクスル―」があると考えている。
その他にも下記の企業名が掲げられている。
結構、目にしている検索エンジンもあり、ここから明日のグーグルが出てくるのかもしれないと考えると非常に面白い。
・有限会社未来検索ブラジル(Brazil) (日本企業)
・グーグルよりも進んでいると言われる検索エンジン「テオマ(Teoma)」
- アスク・ドット・コムで採用されている。
・株式会社マーズフラッグの「マーズフラッグ」
- 見える検索エンジン
・チームラボ株式会社 (Team Lab Inc.)の「サグール」
- 東大卒の奇才、猪子寿之氏が率いる。
・百度株式会社
- 昨年、日本参入し最近でもネット記事・TVニュースでも目にする。
○第2章 持ち運ぶ「ライフログ」端末、日本のケータイ
この章では、検索エンジンに絡んだケータイの状況が書かれている。
「若い世代のパソコン使用率が低下しており、パソコン=仕事、ケータイ=プライベートと使い分けられている」との事であるが、私自身ケータイの世界にどういった潮流があるかには疎い。
そして、この傾向を加速させる要因が2つある。
1.個人情報流失事件・個人情報保護法によって、パソコンが「おフィシャル化」している。
2.C(コンパクト)HTML言語でケータイサイトを普及させた為、パソコンとケータイ間に溝がある。
CNET等のITメディアも取材・報道はするが、ケータイ世界の情報に殆んど踏み込めていない。
これらの状況から、ケータイは独自進化してきたが、逆にウェブ2.0の世界には遅れていたと ・・・
ただ独自進化の過程から、ライフログデバイスとしての機能を活用できれば、国産検索エンジンを劇的に向上させる可能性がある。
・実例
経済産業省「情報大航海プロジェクト」のモデル
-NTTドコモ「マイ・ライフ・アシストサービス」
○第3章 ブログ検索でマーケティングが一変する
ウェブ全体が対象の検索エンジンではグーグルの一人勝ちだが、ニッチな世界では用途に特化した検索エンジンが出現。
Blogwatcher - 「バースト度(注目度)」、「評判検索」
この評判検索は、面白いというか画期的ですね。
例えば、特定商品に関してポジティブ評価を赤色、ネガティブ評価を青色で表示・グラフ化するといった機能だが、テキストを分析する判断を行う方向が凄い。これらは、マイニングという概念ですが、今後のビジネスで大きな市場になっていくと。
学生時代に読んだ、「第五世代」といったAI機能を目標とした国産プロジェクトに関する本を思い出し、二者択一の方法にせよ、人間の文章を判断する機能になりつつある事に驚きました。「評判検索」のみならず、ブログから性別が推定でき、職業、年齢を推定する試み迄おこなわれている。
Wikipediaによると、データマイニング(Data mining)とは「統計学、パターン認識、人工知能等のデータ解析の技法を大量のデータに網羅的に適用することで知識を取り出す技術。」とある。
第4章でもこのデータマイニング、テキストマイニングの応用分野とその実例まで踏み込んでいる。
1.マーケティング分野
2.知財分野
3.リスクマネジメント分野
ウェブ世界の大半はテキストであるので、この3分野以外も可能性がある事は明白で、マイニング技術で得る情報をどのようの活用するのかがキモであろう。
過去著作も下に掲げておきます。
今読んでも学ぶべき内容があり、是非一読を勧めます。
今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、
“「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。
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