2007/11/23 金曜日

キミがこの本を買ったワケ 指南役(著)

Filed under: マーケティング — morinaga @ 17:56:54

15年近く、著者たちの中であたためられてきたテーマ 
「買う理由」 について、書かれた本です。
ホイチョイ・プロダクションらしく、題材がメディア・広告を扱っている為、
軽く、コミカルで現代風です。

しかし、実際は、冒頭の「神の見えざる手」や、”あとがき”での結論から、
「広告の本質」を探究する思いが、垣間見えます。

最近では、「透明人間の買い物」といった著作を出版し、
アマゾントップセラー100にもランキングされてます。

指南役って誰?と思い、調べてみると、ちょっとびっくりしました。 
同郷なんですね。

草場滋 略歴
福岡県立城南高等学校在学中の1983年、津田真一、小田朋隆らと、同校水泳部内に
「第5の泳法」を開発するチームを結成し、草場は代表を務める。
この草場・津田・小田から成るチームは「指南役」と名乗り、
現在に至るまでエンタテインメント企画集団として活動している。  -  Wikiより

 指南役 公式HP

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 ( 目 次 )

神の見えざる手
第1章      さて、心あたりありませんか?
第2章      ずばり、広告って参考にしてますか!
第3章      ところで、なぜ、これを選んでしたっけ!
第4章      けっきょく、売るのも買うのもむずかしい!

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 ( 内 容 )

脳科学者の茂木健一郎氏が、脳に関して語っている事の紹介が、
人間の本質を突いていて面白い。

他の動物の脳はプログラミングで埋め尽くされている為、決められた行動をとる。
人間の脳には「空白」があり、その部分を埋める為に、
何か新しいものを「知りたい」・「学びたい」と思っている。

これが、なぜ、マーケッティングに関連するかといえば、
「消費者の85%は何を買うものを決めずに、店に行き、目的は新しい商品である。
その行動の理由は、本能・DNAによるものである。」と言うことらしい。
自分の行動を、第3者的に眺めれば、結構、納得はできますね。

これに関連するのが、「僕らは選ぶのが苦手」
人は物品購入において、全て、自分自身で選択・決断しているように感じるが、
実際は、マーケティングにより恣意性と、偶然性によるものだとつくづく思いますね。

選択肢が多すぎると選びづらいから、セレクトショップや、マネキンがある。
本では「手書きポップ」の魔法と言われる。

「個」の時代であると共に、二極分化する志向もある。
面倒くさくない「東京ウォーカー」が、豊富な情報誌に打ち勝った。
特に、エンタメ関連では、ランキングがあり、売れだすと集中する。
出版業界は特に顕著で、かつてない不況だが、「ハリーポッター」などはその好例だろう。

じゃ、そこにマ―ケッティング・広告で影響を与える事ができそうだと、
誰でも考えますが、ここで驚愕の事実です。

歴代ヒットCMと、歴代ヒット商品の相関関係はまるでない。

そう、ヒットCMは、「ヒットCM」という商品で、注目を浴びるという事なんですね。
「エンタメ作品として価値」を認められたと …

それじゃ、何が「買ったワケ」になるのだろうか?
その例として、コンビニ・ネット・ケータイ着うた、を上げている。

「欲しい」とおもった瞬間に買えることは、おにぎり100円の価値を上げる。
ネットにいたっては、「0メートルの商圏」で、クリック1つで買える。
そして、着うたに至っては、配送リードタイムも殆んどない。

「欲しい」から「購入」までの時間が短ければ、幸福感(商品価値)も上がるって事です。
タイム・イズ・マーケティングです。

その他、様々な例をあげているが、最終的な結論は2つ。

1.「値引き」「品切れ」「エロ」は不変の強さがある。
2.商品自身の力、特に新しいジャンルを開拓した、ファースト・エントリー

オーソドックな結論ですが、マーケッティング・広告を考える際には、
今の時代を反映して非常に視点が面白い本です。

今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、
“「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。

2007/11/11 日曜日

ネット未来地図 佐々木俊尚(著)

Filed under: Web・IT — morinaga @ 11:58:03

IT・ネット分野の著作を精力的取材し、次々と出版している著者です。
著者も “まえがき” で以下のように述べている。

「今回は、ウェブ2.0の今後の方向性と将来性を20の論点から、洗い直している。」

情報過多とも言える現在、すべてのメディアに目には通せない為、
多くの人は、断片的な知識で方向性を予測したりするしかない。

こういった著作で、業界全般を俯瞰的に眺めて書かれた内容は、非常に有用で、
地方に住む私などには、重要な情報源であり、指針となっている。

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( 目 次 )

プロローグ    
●ビジネスとインターネット
 論点 1   amazon
 論点 2   Recommendation
 論点 3   行動ターゲティング
 論点 4   仮想通貨 
●インターネット業界
 論点 5   Google
 論点 6   Platform
 論点 7   Venture
 論点 8   Monetize
●メディアとインターネット
 論点 9   YouTube
 論点10   動画
 論点11   TV
 論点12   番組ネット通信
 論点13   雑誌
 論点14   新聞
●コミュニケーションとインターネット
 論点15   Second Life
 論点16   ネット下流
 論点17   Twiter
 論点18   Respect
●未来とインターネット
 論点19   リアル世界
 論点20   Wikinomics
あとがき

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( 内 容 )

論点が20もあるので、特に印象に残った部分に絞って記載した。

≪ ビジネスとインターネット ≫
●論点 1 amazon
ここでの予測は、 「Amazonがオンラインショッピングを制覇する」である。

現在、書籍分野では国内最大手であるが、ショッピングモール2強の
“楽天”、”ヤフー”に比較すれば、決して売上規模は大きくない。

2強のショピングモール群とアマゾンの単一ショピングモールでは、
通常の感覚であれば、異なるショップがある方が優位だと思われるが、
ネットの世界で違う要因が出てくる。

数年前からの潮流として、集客の中心が検索エンジンに変わった事でポータルの優位性が消えつつある。
また、商品にたどりついた後、アマゾンはデータベースとレコメンド機能(論点2で詳細に記述されている)により訪問者の嗜好に合いやすい。

かたや、集合体モールは選択の自由はあるが、劣悪商品、違法すれすれのコピー商品などあり、選択の自由が逆に不親切にもなる。

●論点 3 行動ターゲティング
ここでの論点は、今後の潮流として最も重要な概念である
「行動ターゲティング」
についてである。
ただし、両刃の剣的な要因があり、取り扱い注意項目でもある。

グーグルの主要収益は、検索連動型広告であった。
行動ターゲッティングとは、行動分析型広告のことである。
具体的には、ウェブでの履歴を全てデータベース化し、消費者の目に触れる広告を、
その人間の嗜好に合わせて提示するといった概念である。

ヤフーのような巨大なポータルサイトは、自社サイトの履歴のみで実現可能となる。
実際、「2006年7月がら本格導入されている。」と記載されている。

そして、 「ネット広告業界は雪崩をうって、この行動ターゲティングに走りつつある。」 とある。

≪ インターネット業界 ≫
●論点 6 Platform 
ここでの論点は、携帯電話の未来である。
 
携帯電話会社は、回線提供の通信企業より、プラットフォームビジネス、
コンテンツビジネスに乗り出して行っている。

「おサイフケータイを実現した事で、消費者向けビジネスの最強ボトルネック ”決済”を握ることになった。」

グーグルでの検索モデルはテキストである。

携帯電話であれば、GPS、カメラ映像、店や自動販売機との交信、
メールも絵文字による感情認知、音声通話の『音』を使って、
マッチングさせ、より優れた情報を提示できる。

●論点 8   Monetize
 ここでの論点は、 “まえがき”でいの一番に書かれた「マネタイズ」である。

直訳では、「貨幣を鋳造する」であるが、インターネットの業界での使う意味は、「サービスを収益化する」といった意味である。

「ウェブ2.0」といった言葉は現在は、一過性のトレンド用語のように捉えられている。
その要因は、「収益化されたビジネスモデル」が、今だ確立していない為であろう。

現在の日本のウェブ2.0企業の収益モデルを、3つに分けている

 ①広告をとる
 ②サービス利用者に有料課金する
 ③システムを他の企業に外販する

しかし、この収益モデルはウェブ2.0企業でなくとも行っている。

著者は、このままではアメリカのウェブ2.0企業に呑み込まれないかと危惧している。
海外の成功事例として、いくつかあげている

①グーグルは検索エンジンと検索連動型広告という構造からインターネット広告代理店として
②アップルは、iTuneとiPodというサービスと製品を武器に、
   垂直統合型アーキテクチャーによって
③アマゾンは、圧倒的品揃えと顧客数に加え、高度なレコメンド機能によって

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廃れつつある「ウェブ2.0」といった言葉であるが、これからの潮流を予測する上で、
ターンニング・ポイントを象徴する概念であると思われる。

企業活動は経済活動であるから、収益化を実現する事が最終目的であるが、
着陸地点(目的)はアイデア、ビジョン、トレンドから始まる事が通例であろう。

そういった意味で、「ウェブ2.0」的側面から未来地図の要因を、
本書は俯瞰的にあまねく記している。

今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、
“「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。

2007/11/4 日曜日

スターバックス 5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神 ジョゼフ・ミケーリ(著)

Filed under: 経営・経営者 — morinaga @ 5:01:15

“まえがき” の第1行目から、社長の言葉とは思えない”強烈な文言”で始まる。

わたしたちの仕事はごみ集めだ。
(中略)
わたしたちはスターバックスのパートナーだ。
(世間では従業員と呼ばれる)

スターバックスについて、当社の企業文化について話す時は、いつも、
わたしたちの仕事はごみ集めだということから始める。
(中略)
これがスターバックスだ。
従業員の雇用や事業を成功に導く魔術の法則などないのだ。

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( 目 次 )

まえがき        米国スターバックス社社長 ジム・アリング
はじめに     
法則1   独自の経験を作る
法則2   すべてが大切
法則3   嬉しい驚きを作りだす
法則4   反対意見を受け入れる 
法則5   足跡を残す
おわりに  
手引き
日本語版 特別インタビュー
       日本のスターバックス 成功の理由

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( 内容に関して )

この本の著者、ジョゼフ・ミケーリ氏は”まえがき”で、
スターバックスの成功を、「スターバックス経験」という一言に凝縮している。

「経験こそがスターバックスである。」

そして、「スターバックス経験」を二つの段階に見ている。

1.経営陣が作り出す「スターバックス経験」
  パートナー(従業員)の為に独自の企業文化を築き上げている。

2.パートナー(従業員)が作り出す「スターバックス経験」
  お客様の為に、独自の経験を作りだしている。

本書の目的は、これらの「スターバックス経験」とは、
どういうものかを考えることであり、これらは5つの法則になっていると。

すべては、「スターバックス経験」を作りだす為である。

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●法則1   独自の経験を作る

効率化を最優先事項としては、パートナーの個性を生かす事は難しい。
マニュアル化した顧客サービスでも難しい。
そのための方策として、「大切にする5つの気持ち」を重視している。

・歓迎する
・心を込める
・思いやりを持つ
・豊富な知識を蓄える
・参加する

これは、スターバックスのサービス理念の礎となっており、
『グリーンエプロンブック』として社員に配布されている。
(その名のとおり、エプロンのポケットに入る手帳。)

有名な『リッツ・カールトンのクレドー』と同じく、企業理念のシンボルですね。

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●法則2   すべてが大切

ここでは、次の一言に集約されている。

「リテールはディテール(小売業は細部に気を配ることが大切)だ」

このディテールとは、商品・品質・店舗環境・社員研修・遊び心がある文化・
社会的良心・お客様・パートナー、全てである。

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●法則3   嬉しい驚きを作りだす

人は日常的な経験においても、心を動かされることを望み、それを期待している。

お客様だけでなく、同僚やその他の人に対しても、喜びをもたらす事を考える。
これは、企業人としてのみでなく、全人格的なものを求めるものである。

失敗に際しても、正しい対処でお客様に喜ばれようとあったのが、非常に面白かった。

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●法則4   反対意見を受け入れる

ここでの反対意見とは、下記のような様々な例が出てくる。

・お客様からの苦情・苦言
・ウェブ上のゴシップ
・国家間(第三世界のコーヒー栽培者、他国への進出)
・出店時の地域住民より
・店舗内のパートナーから

これらに対する方策は、ひたすらに対話と行動であると。

負かすのではなく、仲間になる事が重要である。

また、問題発生時の対処も同様であり、基本的な考えをまとめている。

自然に存在するものは、抑えつけようとする力に逆らって成長する

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●法則5   足跡を残す

スターバックスのCSR(起業の社会的責任を担う)活動は、社会奉仕活動でなく、経営手段へと変わってきている。

社会的責任とは「足跡を残す」ことであり、その活動は、信用できる企業として、従業員、投資家、顧客、納入業者、地域社会に信頼されることである。

こうした発言が現実になされている顕著な例として、下記が紹介されている。

・週20時間以上働くすべての従業員に対して健康保険を適用する。
・ある基準に達したコーヒー生産者は、プレミアム価格で購入される。
 (競合他社より高い価格)

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“おわりに” では、読者に対しても 「スターバックス経験」を求めている。
その為に、”手引き” という章まで用意されている。

おめでとう!あなた自身の経験がまっている。

あなたがこの本を取ったのは偶然ではない!

今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、
“「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。

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