成功のコンセプト 三木谷浩史(著)
“はじめに” の部分から一気に引き込まれた。経歴は超エリートと言える三木谷氏だけあって、実に明確にまとまった内容と言えます。 が、それ以外の部分も、実に面白い。楽天の創生期、商店街に訪問時のエピソードが表現している。
走り回り、腕立て伏せをして、汗だくで息を切らせて、
目的の商店を訪問する。
みみっちいパフォーマンスだが、真剣さを伝える為には、
そこまでしなければ話さえも聞いてくれない。
それが現実だった。
エリートがエリート然として成功するのを見聞きすれば、知性や戦略に感嘆する。しかし、エリートがエリートらしからぬ泥臭い地点から、這い上がってくる話は感動と夢が見える。
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( 目 次 )
はじめに
第1のコンセプト 常に改善、常に前進
第2のコンセプト Professionalismの徹底
第3のコンセプト 仮説→実行→検証→仕組化
第4のコンセプト 顧客満足の最大化
第5のコンセプト スピード!! スピード!! スピード!!
おわりに
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( 内容に関して )
この、”はじめに”では、冒頭のエピソードのみならず、印象に残る話が続き、本当にシンプルな “はじめに” でありながら、行間から多くを感じた。
・1995年の阪神・淡路大地震で悟った事、「無常」について…
・楽天の成功を幸運と呼ばれる事への答えとして、「幸運はチャンスと準備の交差点」という、的確な英語の諺で表現している。
●第1のコンセプト 常に改善、常に前進
ここでは、企業戦略を2つに別けて説明している。
1.ダーウィニアン・アプローチ (グーグル等)
種をばらまいて、元気の芽を出したものだけを育てる。
2.改善モデル (楽天)
改善が前提。 改良しながら勝つまで続ける。
英語の辞書にも載っている、KAIZEN(カイゼン)。日本より発生したこの手法に、絶大な信頼を寄せている事がわかる言葉が続く。日本の「カイゼン」に、力を込めて記している事は、なにか嬉しさを感じる。
改善とは絶対的に成長する方法なのだ!
未来へのビジョンを信じて、改善を行っていく
改善は凡人が天才になる方法
●第2のコンセプト Professionalismの徹底
プロフェッショナルに関する三木谷氏の定義は、まさに経営者的と言える。三木谷氏の定義では、知識・技術・実績を超えたものが必要条件だからである。
一般的には、素人のかなわない特殊な技術を持つ人と いうことになるのだろうか。 僕のいうプロフェッショナルとは、1日24時間、1年365日、 どこにいても、何をしても仕事の事を考えている人だ。
そして、予想外の言葉も出てきた。
プロフェッショナルに不可欠なのは、技術よりも成功体験だ。 困難な目標に立ち向かい、達成した喜びが、 人を本当の意味でプロフェッショナルにするのだと思う。
正直、この発想はありませんでした。実に、現実を見据えた定義だと。
●第3のコンセプト 仮説→実行→検証→仕組化
この章におけては、フレームワークに言及している。
自分の感覚や直感を、仮説よいう具体的なカタチにするには、
フレームワークを理解しておく事が重要だ。
(中略)
ビジネスの世界では、フレームワークを現実の世界から、
自分で発見しなければならない。
インスピレーションから、「仮説→実行→検証→仕組化」に展開させる前提としてフレームワークの重要性があると。 確かに、基礎的な受け皿を、あらかじめ準備していなければ、即時展開もできないであろうし、アイデアも消え去ってしまう。
ビジネス書も貴重な参照資料となるが、既に記された内容は、
誰かに具体的なビジネスに落とし込まれている可能性があり、
自分で発見しなければならない。
これは、書評を記している人間には耳が痛い内容であり、IBM的には、「Think! Think! Think!」 ですね。 古いですが、「論語」の格言も思い出しました。「学んで思わざるは則ち罔(くら)し。思うて学ばざるは則ち殆(あやふ)し。」
●第5のコンセプト スピード!! スピード!! スピード!!
ビジネスに関する本では、必ずといっていいほど出てくるキーワード ”スピード” 三木谷氏も最重要であると捉えています。
ビジネスの現場において、ある意味いちばん重要なコンセプトを、
いちばん最後に持ってきたのにはもちろん理由がある。
スピードはビジネスの勝敗を分ける重要なファクターとなる。
最重要項目はスピードである事を、最後の最後まで書き続けている章であるが、スピードとは違う概念をも十分に理解している。
「ファーストムーバーズ・アドバンテージ」
- スピード重視、早いもの勝ち。
「ベストムーバーズ・アドバンテージ」
- 最も上手く展開したもの。
どちらを選択するかは、時間軸を含めた四次元的俯瞰によって
判断しなければならない。
しかし、それでも、スピードは重要である。
時間をかけたベストにも、達するまでの時間を
最大限短縮できた者が勝者となるのだから。
●おわりに
“おわりに” では、三木谷氏の未来にかける思いでまとめられている。
インターネットが変える世界はリアルそのものだ。
そのリアルな世界のあるべき姿をしっかり心に描き、
自分の信じる未来に貢献する為に、
ビジネスに全身全霊で取り組む。
それこそが、楽天の仲間全員の信念だ。
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最新のネット産業でありながら、日本古来の「三方よし」的発想。成功者でありながら、未来に賭ける青年のような熱さ。エリート的経歴ながら、知性ある腕力派であり、バランス感覚もよし。この本の副題 「Principles for success」にも深味を感じた一冊です。
今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、 “「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。
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