2007/10/28 日曜日

成功のコンセプト 三木谷浩史(著)

Filed under: 経営・経営者 — morinaga @ 21:54:35

“はじめに” の部分から一気に引き込まれた。経歴は超エリートと言える三木谷氏だけあって、実に明確にまとまった内容と言えます。 が、それ以外の部分も、実に面白い。楽天の創生期、商店街に訪問時のエピソードが表現している。

  走り回り、腕立て伏せをして、汗だくで息を切らせて、
  目的の商店を訪問する。
  みみっちいパフォーマンスだが、真剣さを伝える為には、
  そこまでしなければ話さえも聞いてくれない。
  それが現実だった。

エリートがエリート然として成功するのを見聞きすれば、知性や戦略に感嘆する。しかし、エリートがエリートらしからぬ泥臭い地点から、這い上がってくる話は感動と夢が見える。

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( 目 次 )
はじめに     
第1のコンセプト    常に改善、常に前進
第2のコンセプト    Professionalismの徹底
第3のコンセプト    仮説→実行→検証→仕組化
第4のコンセプト    顧客満足の最大化 
第5のコンセプト    スピード!! スピード!! スピード!! 
おわりに  
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( 内容に関して )

この、”はじめに”では、冒頭のエピソードのみならず、印象に残る話が続き、本当にシンプルな “はじめに” でありながら、行間から多くを感じた。

  ・1995年の阪神・淡路大地震で悟った事、「無常」について…
  ・楽天の成功を幸運と呼ばれる事への答えとして、「幸運はチャンスと準備の交差点」という、的確な英語の諺で表現している。

●第1のコンセプト    常に改善、常に前進

ここでは、企業戦略を2つに別けて説明している。

 1.ダーウィニアン・アプローチ (グーグル等)
   種をばらまいて、元気の芽を出したものだけを育てる。
 2.改善モデル (楽天)
   改善が前提。 改良しながら勝つまで続ける。

英語の辞書にも載っている、KAIZEN(カイゼン)。日本より発生したこの手法に、絶大な信頼を寄せている事がわかる言葉が続く。日本の「カイゼン」に、力を込めて記している事は、なにか嬉しさを感じる。

 改善とは絶対的に成長する方法なのだ!
 未来へのビジョンを信じて、改善を行っていく
 改善は凡人が天才になる方法 

●第2のコンセプト    Professionalismの徹底

プロフェッショナルに関する三木谷氏の定義は、まさに経営者的と言える。三木谷氏の定義では、知識・技術・実績を超えたものが必要条件だからである。

  一般的には、素人のかなわない特殊な技術を持つ人と  いうことになるのだろうか。   僕のいうプロフェッショナルとは、1日24時間、1年365日、  どこにいても、何をしても仕事の事を考えている人だ。

そして、予想外の言葉も出てきた。

  プロフェッショナルに不可欠なのは、技術よりも成功体験だ。  困難な目標に立ち向かい、達成した喜びが、  人を本当の意味でプロフェッショナルにするのだと思う。

正直、この発想はありませんでした。実に、現実を見据えた定義だと。

●第3のコンセプト    仮説→実行→検証→仕組化

この章におけては、フレームワークに言及している。

  自分の感覚や直感を、仮説よいう具体的なカタチにするには、
  フレームワークを理解しておく事が重要だ。
    (中略)
  ビジネスの世界では、フレームワークを現実の世界から、
  自分で発見しなければならない。

インスピレーションから、「仮説→実行→検証→仕組化」に展開させる前提としてフレームワークの重要性があると。 確かに、基礎的な受け皿を、あらかじめ準備していなければ、即時展開もできないであろうし、アイデアも消え去ってしまう。

  ビジネス書も貴重な参照資料となるが、既に記された内容は、
  誰かに具体的なビジネスに落とし込まれている可能性があり、
  自分で発見しなければならない。

これは、書評を記している人間には耳が痛い内容であり、IBM的には、「Think! Think! Think!」 ですね。 古いですが、「論語」の格言も思い出しました。「学んで思わざるは則ち罔(くら)し。思うて学ばざるは則ち殆(あやふ)し。」

●第5のコンセプト    スピード!! スピード!! スピード!! 

ビジネスに関する本では、必ずといっていいほど出てくるキーワード ”スピード” 三木谷氏も最重要であると捉えています。

  ビジネスの現場において、ある意味いちばん重要なコンセプトを、
  いちばん最後に持ってきたのにはもちろん理由がある。
  スピードはビジネスの勝敗を分ける重要なファクターとなる。

最重要項目はスピードである事を、最後の最後まで書き続けている章であるが、スピードとは違う概念をも十分に理解している。

  「ファーストムーバーズ・アドバンテージ」
         - スピード重視、早いもの勝ち。
  「ベストムーバーズ・アドバンテージ」 
        - 最も上手く展開したもの。
  どちらを選択するかは、時間軸を含めた四次元的俯瞰によって
  判断しなければならない。
  しかし、それでも、スピードは重要である。
  時間をかけたベストにも、達するまでの時間を
  最大限短縮できた者が勝者となるのだから。

●おわりに

“おわりに” では、三木谷氏の未来にかける思いでまとめられている。

  インターネットが変える世界はリアルそのものだ。
  そのリアルな世界のあるべき姿をしっかり心に描き、
  自分の信じる未来に貢献する為に、
  ビジネスに全身全霊で取り組む。
  それこそが、楽天の仲間全員の信念だ。

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最新のネット産業でありながら、日本古来の「三方よし」的発想。成功者でありながら、未来に賭ける青年のような熱さ。エリート的経歴ながら、知性ある腕力派であり、バランス感覚もよし。この本の副題 「Principles for success」にも深味を感じた一冊です。

今日も、ここまで、あなたの貴重な時間で、 “「本学」講座” をお読みいただき、有難うございます。

1件のコメント »

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    トラックバック by 書評リンク — 2008/10/7 火曜日 @ 10:28:23

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